【廃棄処分されるシカを有効活用したい】Yohey/渡辺洋平さん(経営学部新3年)インタビュー 前編

ヨココク GO UP!!

横国生のリアルを伝える「ヨココク GO UP!」

第四回は、経営学部新3年生の渡辺さんの活動をご紹介します!

駆除されてしまうシカを有効活用したい!という理由から新規ビジネスを考案、商品開発やプロモーションまで幅広い活動に積極的にチャレンジされています。

アクティブな姿をぜひチェックしてくださいね!

※このインタビューは2021年1月に、新型コロナウイルス感染予防のため、オンラインで行いました。

2019年入学
経営学部経営学科2年
Yohey/渡辺洋平

Twitter @okyohe
Instagram @okay.yohey

身近だけど、深刻な問題

—本日はよろしくお願いいたします。はじめに、簡単な自己紹介をお願いします!

  北海道出身、経営学部2年の渡辺洋平です。シカが大量に駆除され、廃棄されてしまう(駆除60万頭、廃棄55万頭)現状を変えたくて、それを解決し利用率100%を目指すためのDeervery(ディアベリー)プロジェクトを立ち上げました。よろしくお願いします。

—まず、どのようなビジネスをしているのか簡単に教えていただけますか?

  主に2つのことをやっています。
 まず製品開発と販売、そして動画や画像などのコンテンツを作成して、シカの魅力に気づいてもらうことです。

 現在、日本ではシカがものすごく増えています。その理由は色々ありますが、大きな要因は、100年前にオオカミを絶滅させてしまったことです。そして、シカが増えすぎたことで、農家の作った野菜を食べてしまったり、木の皮を食べてしまったり、交通事故に遭ってしまったりするなど、さまざまな問題が起きるようになってきたんです。現在、こうした被害を食い止める為に、鹿の駆除が進められています。


 しかし、こうして駆除されたシカはそのまま廃棄されてしまっています。被害をどう止めるか、というところには目が行っているけれど、駆除した後、どうにか利用しようと言うところにはほとんどフォーカスされていません。

  駆除されたシカをそのまま廃棄してしまうのってシンプルにおかしいじゃないですか。数の調整のために、命を奪って、捨てるだけという社会を続けるべきでは無いですよね。漁業に例えるなら、わざわざ網で取ってきた魚を漁港でそのまま捨ててしまうようなものです。

 シカの肉は栄養価が高く、タンパク質も鉄分もビタミンも豊富で、脂質も少ない健康食です。また、皮も柔らかくて軽くて伸びが良いという特徴があります。価値あるものを捨てているという点で、経済的にももったいないというのが現状なんです。

 そこで若い僕にできることって何だろうと考えると、シカの魅力をSNSなどを通じて多くの人に知ってもらうことだという結論に至りました。それが横浜国立大学に入学し、経営学やマーケティングを学ぶ意義であるとも考えるようになりました。

—このテーマで起業をしようと思ったきっかけを教えてください。

   もともと起業をしようと思っていたので横国に進学しました。

 一年生のときに、インターンシップを3社体験したあと、3個の事業を起こそうとチャレンジしてみたのですが、どれも挫折してしまいました。

    その理由はどれも自分のためにやっていたからなんです。自分の利益だけを追究していて社会に還元しようとは考えていませんでした。なので、「この事業を俺がやる意味ある?」という自分の質問に全く答えられずに挫折してしまいました。

 このように、挑戦する事業がうまくいかず、どうすればいいんだろうと悩んでいた時にシカ問題を知りました。

 もともと地元である北海道への郷土愛から、いつか北海道に役立つことをやろうとは思っていました。そして北海道は、車を運転していたら、そこにシカがいるというくらい、シカは身近な存在で、かつ身近な問題でした。しかしよく調べてみたら、鹿は北海道だけでなく日本全体で問題になっていることが分かりました。それと同時に鹿の持つ価値も学びました。そこで、シカの廃棄を減らすという課題なら、僕が色んな人を巻き込んで解決できるかもしれない。これを解決できれば、日本の伝統皮革の復興にもなるし、地方創生にもなるし、なにより命を無駄にしない社会にできる。

そう考えたことが、このビジネスを立ち上げるきっかけになりました。

シカ革界のユニクロになる

ーどのような製品を開発する予定なのですか?

 もともとは、高単価で投資に回せる利益が大きいバッグを作ろうと考えていました。しかし高単価だと多くの人に手に取ってもらえませんし、それでは鹿の魅力と問題を知ってもらえないと考えたため、単価が比較的低く、日常で頻繁に使う財布がいいかなと思いつきました。キャッシュレスが進んでも、財布はほぼ全員持っているものだし、それなりにおカネをかけるものだからです。

 現在でもシカ革の財布はあります。しかし、作家さんが個人で作成・販売している場合が大半で、販売数も少なくどちらかといえばアーティスティックなものが多いです。

 だから自分は、シカ革界のユニクロになろう、と考えています。アーティスティックではなく、どんな人でも使えるようなシンプルで良いものを、たくさんの人に持ってもらいたいと思っています。

ープロモーションはどのように行う予定ですか?

 現時点ではTikTokとInstagramでやろうと思っています。今もっともバズりやすいSNSがこの二つだと考えています。

 ただ、シカ問題をSNSで広めるのがなかなか難しく、他の内容の投稿はかなり伸びていたにもかかわらず、シカ問題についての投稿は全く伸びなくて、苦戦しています……。

―現在はどのように作業を進めているのですか?

 現在は、革を卸してくれる北海道の鹿革の先駆者、創業70年の縫製工場、北海道出身のデザイナーと協力し、プロジェクト単位でやっていこうと考えています。

 革の卸業者さんに関しては、シカ革を扱う業者は全国でも限られているので、ネットで調べ、Facebookで連絡をとり、昨年会いに行きました。彼は輸入アパレル業界の出身で革への知見が豊富という背景を持って、20年前からシカ革を取り扱っている大先輩です。心強い仲間です!

 縫製業者さんは、OEM生産(他社ブランドの生産)をしてくれるところで、プロジェクトに共感を示してくれたところの中で、品質とロットが合うところに決定しました。創業70年を超える老舗と一緒に製品開発出来ることにとてもワクワクしています。

 デザイナーは、多摩美術大学の同年代の学生です。ちなみに、僕の彼女の中学校の同級生です。もともと彼女から、その方の才能に溢れる話を聴いていて、一緒に仕事したいなと思っていました。その方は、プロダクトデザインは専門ではないと聞いていたので、相談するのをためらっていたんですが、勇気を出して誘ってみました。経済学部や経営学部の人ってあまりデザイナーとの繋がりがないじゃないですか。だから、デザイナーを探すのは本当にきつかったですね……。結局、彼女に頼ることになりましたが……(笑)これからは専門の環境デザインという視点と僕の視点を合わせて、デザインで応援してくれる人の日常に潤いを与えていきたいです。

  事業資金については、今まではバイトで稼いだお金で何とかしていたんですが、これからのプロモーションとか商品開発とかに関しては、高校2年生のころから行っている株式投資で得たキャピタルゲインをどんどん使って投資していきたいと思います。

 後編では、かつての渡辺さんの活動や、今後の事業の方針などについて教えていただいています。お楽しみに!

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