【学部学科解体新書】―鬼の物工前編―(※横浜国立大学工学部物質工学科、次年度理工学部化学・生命系学科)

2011.02.01

今回は、≪鬼の物工≫と恐れられている工学部物質工学科(以下、物工(ぶっこう)と略)の中の3つのコースのうち、『物質のシステムとデザインコース』(以下、物シス{読み方:ぶっしす})と『化学コース』の二つのコースについて、実際にそのコースに在学している方への取材を元にご紹介していきたいと思います。



【物質工学科の概要】

物質工学科は、物質や材料、エネルギー、環境、生命についての知識と考え方を広く深く学ぶ学科です。


【『物シスコース』と『化学コース』の紹介】

この2つのコースは授業の中で基礎の理論から最先端の研究、環境問題についてまでとても幅広く勉強します。この2つのコースでは基本的に化学と物理について学びますが、それに囚われず広い分野の事を勉強することが出来るので、将来の職業選択の幅は広く将来の事をはっきりとは決めていない人にも適しています。また、化学の事ばかり勉強する訳でもないので、化学が好きな人は勿論、そうでもない人でも楽しく勉強出来るのではないでしょうか。


【コース間の違い】

物工の中で、『バイオコース』だけは入学時に分かれ、他の二つのコースとは少し違ったカリキュラムで勉強します。『物シスコース』と『化学コース』の学生は2年生の後半でどちらのコースに行くかを自ら選択するので1、2年は同じカリキュラムで学習し、3年の4月から2つのコースに分かれてより専門的な学習を行います。

『物シスコース』ではより実用的な事を学び、『化学コース』ではより学問的な事を勉強します。一般的には、『化学コース』は『物シスコース』より勉強が大変だと言われています。


【コースの選別の方法】
まず2年生の後期に自分がどちらのコースに行きたいかの希望を出し、あまりにも人数が偏ったら成績(GPT:今まで履修した授業の評点を足し合わせた数値)の差で決めます。ただ、人数が偏っても初めから成績で決めるのではなく、希望者が多いコースから少ないコースへと移ってくれる人を募るアンケートを取った後、話し合いを行いながら人数を調整して決定します。ほとんどの学生は希望通りのコースに進めます。


【学年ごとの変遷】

1年は工学部の基礎科目(高校の理系授業の発展のような授業)を中心に勉強し、2年では有機や化学工学などの専門科目を広く浅く勉強します。3年でコースが2つに分かれて、そこからはコースの専門を深く勉強します。1,2年の時は、履修できる授業が大体決まっていますが、3年生になると自分の学びたい専門授業を選択出来ます。
また、1、2年の時に頑張って必修の授業を取っていれば、3年生の時から授業は比較的楽になります。


【忙しさ】

必修を1つでも落とすと必ず留年です。横国の他の学科に比べると留年する人が多いかもしれません。日本技術者教育認定機構(JABEE)の技術士資格における修習技術者(技術士試験1次免除)の資格を得る事が卒業時の条件となるので、「ある分野の単位を何単位以上習得しなければならない。」と学校側から決められています。ですから、ある1つの分野が不得意だと単位を取るのが大変です。

また、文系の学生にとっては楽に取れる一般教養の授業も、工学部が受講できないまたは時間割かぶるなどで授業自体履修することが出来ずに苦労します。
とはいえ、やはり一番大変なのは実験レポートです。この実験レポートこそ、物質工学科が鬼と言われる理由です。週一回実験があり、毎週その実験結果について実験の1週間後にレポートを提出しなくてはいけません。場合によっては予習レポートや予習課題も課されます。また、1週間後に実験レポートを提出しても、TA(大体は大学院生)の直しが入って、再提出になる事が多いです。その大学院生に聞きながらそのレポートを直しているうちに、新たに次のレポートが課され、どんどん大変になっていきます。

しかし、先輩の過去レポートが出回っているので、もちろん丸写しするのは絶対にダメですが、どうしても行き詰った時に参考には出来ます。とはいえ、過去レポートをいつも写している人の成績は悪いですし、写しているのが教授に知られたら、実験の単位は出ません。実験の単位を1つでも落とすと、他の実験の単位も全てなしです。つまり、留年確実という事になりますから注意が必要です。
さんざん脅かしましたが、最低限の勉強をやっていれば大丈夫です。真面目に勉強したけれどわからないのであれば大丈夫ですが、勉強をしないと留年するという事です。

大変とはいえ、実験レポートは週に1日実験レポートに取り組む日を設ければ出来るので、部活やサークル、バイトなども充分に楽しめます。


いかがだったでしょうか?鬼の物工を目指している人もそうでない人も、鬼の本当の姿を見ることが出来たのではないでしょうか?



それでは、後編につづく!



(横国naviGATEライター/飯沼 百合絵)



>後編はこちら:【学部学科解体新書】―鬼の物工後編―(※横浜国立大学工学部物質工学科、次年度理工学部化学・生命系学科)

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コメント

  1. […] 今年度から「理工学部 化学・生命系学科」に改称する前は「工学部物質工学科」通称”鬼の物工(おにのぶっこう)“と呼ばれていた程の忙しい学科で、日々勉強にいそしんでいます。 […]

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