受験勉強の息抜きに! 映画のススメ

2017.11.03

いよいよ、横国生は学校が始まりましたね!受験生の皆さんは、11月になり、模試の結果もどんどん返ってきて、ドキドキしているころでしょうか。

学生たるもの、そして受験生たるもの、勉強第一の日々を過ごすのが当たり前! とはいえ、時には息抜きも必要ですよね? 「ゆっくり映画でも見て受験のことを忘れてしまいたい!」という人もたくさんいるのではないかと思います。そして、せっかくの息抜きもできれば受験勉強につながる息抜きでライバルに差をつけたい!

そこで、今回は受験勉強の役に立ちながら息抜きができる映画を紹介したいと思います!

 

◆ところで、映画を見るのは本当に勉強になるの?

 実は、映画を研究している大学の先生方も大勢いらっしゃいます。映画などのコンテンツには、なかなか気づけない現代社会の価値観や問題が見事に反映されていることも多いからです。

映画が専門ではなくても、「その事柄が映画でどう表現されているのか」という点に注目して分析することも。横国にも、哲学や心理学、精神分析などの題材として、映画を見て分析するという授業があったり、歴史上の事件を題材にした映画で、歴史がどのように語られているのか分析する授業があったりします。もしかしたら、入試でそういった現代文の評論の問題や、小論文の問題が出るかもしれませんね。

また、映画そのもののストーリーやセリフ、登場人物はもちろん、色、画面の動き、小道具、背景、音楽、効果音などの細かい特徴を1つ1つ拾い上げて、「何を伝えたいのか」「何を考えてほしいのか」という点を分析していくことは、まさに現代文の小説を解いているかのよう。考え方を知るきっかけにもなります。

つまり、映画を鑑賞することは立派な勉強でもあるのです! 皆さん、安心して映画を見ましょう!

 

◆オススメ映画1:「風と共に去りぬ」

【あらすじ】

―南北戦争勃発寸前のアメリカ。南部の大富豪の娘にして、絶世の美女スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)は、名家の御曹司アシュレー(レスリー・ハワード)に思いを寄せていた。しかし、彼が別の女性と結婚するといううわさを聞いてしまい、嫉妬からとんでもない行動を取ってしまう。― 

(シネマトゥディより、https://www.cinematoday.jp/movie/T0004036

【予告編】

 

【おすすめポイント】

映画「風と共に去りぬ」は1939年にアメリカで公開されたアカデミー賞10部門受賞の伝説の映画。1939年といえば、ドイツのポーランド侵攻から第2次世界大戦が始まった年。アジアでもノモンハン事件が起き、日本国内でも日中戦争の影響が生活に少しずつ現れ始めたころですね。…と、見てください。これだけで世界史と日本史の重要事件の年号を覚えましたね! 1939年ですよ!

 

そんなこの映画の舞台は、南北戦争前後の19世紀アメリカ。南北戦争という「風」と共に去ってしまった南部の貴族社会的文化と、南北戦争の中を生き抜くスカーレット・オハラの物語です。

 

ただひたすら働き続ける黒人奴隷たち、パーティや恋愛に明け暮れる白人の大富豪たちの豪華な生活、戦争しかないと北部に対して憤る若者たちアイルランドからの移民である父ジェラルドの農園タラへの想い、戦時中イギリスとの貿易で莫大な富を築くレット、南軍の行進曲「Dixie」、アトランタの戦いに巻き込まれ辛くも生き延びた後の苦しい生活、奴隷解放もタラに残るマミー、KKK団の登場、……これらはみんな、世界史の重要な出来事と深い関係があります。受験生の皆さん、全部答えられますか?

 

例えば、父ジェラルド・オハラは、おそらく1845年にアイルランドでおきたジャガイモ飢饉によって、多くのアイルランド人がアメリカカナダオーストラリアなどに移住せざるを得なかった「アイリッシュ・ディアスポラ」によってアメリカに渡ったのではないか、と推測できます。20年ほどかけ一代で農園を築き上げたがゆえに、農園タラへの想いが誰よりも強いのではないか、などと想像できますね。このように、舞台となった時代の歴史を確認するきっかけにもなります。

 

もちろん、ヒロインのスカーレット役のヴィヴィアン・リーは、ちょっとキツそうだけどとっても美人! 生き生きと、思うがままに生きるスカーレットの姿を見ると、イライラしたりスッキリしたりと、いつのまにか惹かれてしまいます。

 

そして、この作品のおすすめポイントは、78年前の作品であること。そう、つまり著作権が切れているパブリックドメインの作品なのです! そのためDVDも格安で手に入れられるし、動画サイトなどでも簡単に見ることができます。3時間以上もあるちょっと長い映画ですが、世界史を勉強している受験生であれば絶対に見るべき映画です。

 

 

◆オススメ映画2:「紅の豚」、オススメ映画3:「風立ちぬ」

「紅の豚」

【あらすじ】

―飛行艇を操る空賊が横行していた、第一次大戦後のイタリアはアドリア海。賞金稼ぎの飛行艇乗りであるポルコ・ロッソは、空賊たちには天敵の存在。自分の顔を魔法で豚に変えてしまったポルコを何とかやっつけたいと一計を案じた空賊たちは、アメリカからスゴ腕の飛行艇乗りを呼び寄せ、彼に一騎打ちを迫る。―

(allcinemaより、http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=151731

【予告編】

 

「風立ちぬ」

【あらすじ】

―大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかってしまう。―

(シネマトゥディより、https://www.cinematoday.jp/movie/T0016599

【予告編】

 

【おすすめポイント】

どちらもスタジオジブリの宮崎駿監督の作品。「ジブリが好き!」「たくさん見た!」「豚かっこいい!」という人も多いのではないでしょうか。

 

「紅の豚」は1920年代のイタリア、そして「風立ちぬ」はちょっと後の1920年代から40年代の日本を描いています。2度の世界大戦を含む重要な出来事が多発している時代です。

 

たとえば「紅の豚」でピッコロのおやじが札束を積み重ねられても「足りない」というシーンやフィオがガソリンの値段に文句を言うシーン。これは当時のイタリア王国第1次世界大戦で勝利したにもかかわらず、物価が上昇してしまい経済が不安定になっていることを暗に示しているのではないかと想像できますね。「風立ちぬ」でもイタリア人のカプローニが「私の国も貧乏だ」と言っています。こういった不安定な社会が、ムッソリーニァシスト党が力を伸ばすきっかけになっていきます。

他にも「風立ちぬ」で、出稼ぎ労働者が線路を歩いて名古屋に向かおうとするシーンや、銀行での取り付け騒ぎのシーンがありますが、二郎の大学卒業の年などから、これは1927年昭和金融恐慌ではないかと予測できます。

どちらの映画にも、その当時の様子を象徴するようなシーンや、さりげなく映る新聞や雑誌からだいたいの年号や出来事を予測することができるので、日本史や世界史、政治経済や現代社会の教科書を片手に映画を見てみると、意外な発見があるかもしれません。

 

また、特にこの2つの映画を見る前にぜひチェックしてほしいのが、「国籍マーク」

国籍マークとは、軍用機で国籍を判別するために翼や胴体につけるマークのことで、日本だったら日の丸の太陽の部分が国籍マークになっています。これを覚えておくと、映画にたくさん登場する飛行機が「民間の飛行機か軍の飛行機か」とか「どの国の飛行機か」とか「いつの時代なのか」ということがわかり、時代背景と物語を読み解く重要なカギとなります。

特に注目してほしいのが「紅の豚」のポルコの戦友だったフェラーリンの機体の国籍マーク。ポルコとフィオに「豚に真珠だ」と送っているシーンをよーく見てください。第1次世界大戦の頃のポルコの回想に出てくる「イタリアのトリコロールカラーのラウンデル」ではなく、「ファスケス」という木の束と斧の意匠になっています。この国籍マークは1923年から使われていたようなのです。どうしてイタリアンなトリコロールカラーではなく、こちらの意匠にわざわざ変更されたのか気になりませんか?

ここを調べていくと、「冒険飛行家の時代は終わったんだ。国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ぶしかないんだ。」というフェラーリンの言葉がよりずっしりと響いてきます。ついでに、20世紀初頭のイタリア史を完璧にマスターすることまでできてしまうのです。

 

オススメ映画4:「レ・ミゼラブル」

【あらすじ】

―1815年、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまい……。―

(シネマトゥディより、https://www.cinematoday.jp/movie/T0010863

【予告編】

 

【おすすめポイント】

2012年の話題をかっさらっていったミュージカル映画ヴィクトル・ユーゴーの小説を基にしたミュージカルを基にした映画です。ユーゴーは19世紀フランスロマン派の作家で、ナポレオン3世第2帝政に反対して亡命していたこともある、文化史では欠かせない人物の1人ですね!

 

ジャン・バルジャンがパンを盗んで逮捕された1795年のフランス1795年憲法のもと総裁政府が作られる一方、ナポレオンが徐々に頭角を現していった時期でもあります。仮釈放された1815年といえばウィーン体制。フランスではついにナポレオンが失脚し、ルイ18世ブルボン復古王政が始まっています。クライマックスとなる1832年の六月暴動は、七月革命でブルボン復古王政のシャルル10世を追い出したにもかかわらず、オルレアン家ルイ=フィリップが王位についた七月王政への反発。その死が暴動のきっかけになったラマルク将軍はナポレオンの部下。ガヴローシュ少年のモデルになったのは、七月革命の様子が描かれたドラクロワ「民衆を導く自由の女神」に描かれた少年……、と「レ・ミゼラブル」は年号の設定がはっきりしているので、19世紀のフランスについて間接的に知るきっかけもたくさんあります。

 

そしてこの映画の魅力は何と言っても歌の力!フォンテーヌの悲しくて絶望した歌声や、エポニーヌの切なすぎる歌声に思わず泣いてしまったり、テルナディエ夫妻のにぎやかな歌に思わず笑ってしまったり、マリウスやアンジョルラスたちと旗振り回しながら歌いたくなったり、 とにかく歌で心を思いっきり動かされます。ちょっと長めの映画ですが、おススメです!

 

◆オススメ映画5:「バトルシップ」

【あらすじ】

―アメリカや日本など、各国の護衛艦がハワイに集まって大規模な軍事演習を敢行することに。アメリカ海軍の新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)は、日本の自衛艦の艦長ナガタ(浅野忠信)をライバル視しながら演習に参加。そのさなか、沖合で正体不明の巨大物体が発見される。人類からの友好的な呼びかけに応じて現われたエイリアンの母船だという科学者たちの推測に反し、彼らは突如として謎の武器で攻撃を仕掛けてくる。―

(シネマトゥディより、https://www.cinematoday.jp/movie/T0010808

【予告編】

 

【おすすめポイント】

本国アメリカでは酷評された、大金をかけたB級映画。ですが日本ではなぜか絶大な人気を誇る映画となっています。先日も地上波で放送されるとなればTwitterがざわつき、諸事情で放送が中止されたにもかかわらず放送されるはずだった時間に、“バトルシッパー”たちが、各々“チキンブリトー”片手に、レンタルしたDVDや動画配信サービスで「バトルシップ」を再生しながら、Twitterで #バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り を行い、トレンドの1位をかっさらうという「バトルシップの奇跡」を起こして話題になりましたね。(筆者も楽しく参加しました。)

 

もちろん、頭を空っぽにして「USA!USA!」と叫ぶだけでも十分楽しい娯楽映画ですが、「冒頭のサッカーの応援をしている自衛隊員は偶然居合わせた本物の自衛隊員」などの映画の裏話や、「舞台となったハワイ太平洋戦争の引き金となった真珠湾攻撃の場所」など太平洋戦争について詳しく知っていると、より熱い展開を楽しむことができます。

 

パールハーバーで、アメリカ海軍日本の自衛隊が、時にはぶつかりながらも地球を救うために未知のエイリアンと一緒に戦っている…というだけで、思わず目頭が熱くなりますし、人類のピンチに再び動き出す例の戦艦(バトルシップ)と老兵たちに「そういえばウチの国にとって彼らは憎き敵ではないか…?」「降伏文書の調印式をやった戦艦なんだよな…」と一瞬思うものの、過去を超えて手を組んでエイリアンと戦う日米の男たちにも、ますます目頭が熱くなりますね。「戦艦が簡単に沈むか!」などの名言を叫ぶようになったら、太平洋戦争における日米の攻防に関する知識はかなり積み重なってきているはずです。

 

いかがだったでしょうか。ついつい世界史よりの紹介になってしまいましたが、他にも素敵で勉強にも役に立つ映画はたくさんあります。勉強に疲れてきたら、ちょっと息抜きにいろいろな映画を見てみるとよいのではないでしょうか。

 

ただし、だらだらと映画を見ていると時間はあっという間に過ぎ去っていきます。時間を決めておく、勉強を頑張ったご褒美にするなど、あくまで勉強第一であることは忘れないでくださいね。

 

(ライター:ちひろ)

コメント

お名前*

コメント*

横浜naviGATEとは? twitterTwitterはこちら!
分野・目的
アーカイブ