合格体験記~教育人間科学部人間文化課程、荒井杏子さんの場合~

2014.11.21

こんにちは、ちひろです。

冬に向けて寒さが厳しくなってきましたね。特に受験生の皆さんは暖かくして、体調に気をつけましょう。

今回は教育人間科学部人間文化課程1年の荒井さんの合格体験記をご紹介します。特に、一筋縄ではいかない人間文化課程の総合問題についての話は必見ですよ!

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教育人間科学部人間文化課程一般入試前期試験現役合格

荒井杏子(アライ キョウコ)

山口県 県立下関南高校出身

 

 

演劇に浸った高校時代

高校時代は演劇部の活動を頑張っていました。3年生の6月の文化祭で引退するまでは、部活第一でしたね。夏の大会に向けて自分たちで台本から作ったり、年に4回公演があったりしたので、結構忙しかったです。大学生になった今、周りに演劇部だった友人が多くいるのですが、友人たちの話を聞いて、「私の高校の演劇部は比較的真面目だったな」と思うようになりました。

私はずっと役者をやっていました。特に心に残っている役は、中心学年だった2年生の大会時に演じたアテ役です。アテ役というのは、演じる人に似せて作った役のことです。自分たちで台本から作り、自分自身を演じたのが心に残っています。

大変だったのは人間関係ですね。演劇を作る段階で、より良いものにしようとみんなで激しく意見をぶつけ合うのですが、みんなつい批判的に厳しく言ってしまうので、人間関係が悪くなりがちでした。1年生の時には、演劇部の中でのトラブルがなぜか学校レベルの問題にまで発展してしまい、気が付いたらトラブルとは関係なかったのに、校長先生の前で事情を話したりしていた、なんてこともありましたね。当時は苦しかったですが、今となってはいい思い出です。それに、ぶつからないといい演劇はできないですしね。

 

 

部活と勉強の両立

演劇部を引退するまでは部活第一でした。テスト期間は部活が休みなので、自分たちで発声練習だけして、そのあとに勉強していましたね。小テストなどは、直前の休み時間に慌てて勉強することもありました。

高校2年生の冬くらいから、進路相談の先生と話し始め、勉強などでアドバイスをもらっていました。部活第一だったので、英単語や古語、それから地理の国名や首都の暗記など、最初は暗記するものから勉強していました。ですが6月の文化祭の前は部活に専念したかったので、いったん勉強を中断しました。

 

 

がっつり受験勉強

演劇部を引退してから、受験に向けた本格的な勉強を始めました。学校の先生に「君なら東大に行けるだろう」と言われたので、10月くらいまでは東大の過去問を解いていました。学校の授業でセンター対策をしてくれたので、センター対策は学校の授業で、二次対策は自分でしていました。

私は英語が苦手だったので、1日1個長文問題を解くことを目標にしました。とはいえ、はじめは5行くらいの文を訳すところから始めましたね。そこから少しずつ、訳す文章の量を増やしていきました。英語の長文がたくさん載っている参考書を使っていたのですが、どこの参考書だったのか、実は覚えていません。というのは、私の高校では代々の先輩方が残していった参考書が学校の本棚にあって、それを自由に使うことができたので、自分で参考書などを買うことがほとんどなかったからです。ちなみに私が買った数少ない参考書も、高校の本棚に残してきましたよ。

理系科目は得意だったので、苦手な国語や英語の合間に息抜きとして取り組んでいました。東大の数学の過去問は記述式の問題が多かったので、その対策として青チャートを2周しましたね。1周目は大変でしたが、2周目は解き方や答えを覚えてしまっていたので楽に取り組むことができました。

 

 

モチベーションの保ち方

まず、受験を強く意識したのは、2年生の夏休みに行ったオープンキャンパスです。お父さんが東京に単身赴任していたので、お父さんのところに泊まりました。ですが、実際に生活するときのことまで考えられるように、オープンキャンパス自体は1人で電車を乗り継いで行きました。その時考えていたお茶の水女子大の他にも、学芸大、そして同じ関東圏の横国を見に行きました。せっかくのチャンスだったので、たくさんのオープンキャンパスに参加しましたね。私大も見ておきたいと思ったので、名前のかっこよかった成蹊大にも行きました。

実際に大学を見ることで、勉強に対してスイッチが入りました。受験生の時も、その時のことを思い出してモチベーションを保っていました。

さらに、模試の結果を意識することでモチベーションを保っていました。いい結果だった時だけでなく悪い結果だった時も、友達が指摘してくれたり励ましてくれたりしたので乗り越えることができましたね。

 

 

関東へのあこがれ

大学生になったら関東に出ることがずっと目標でした。人がたくさん集まる場所なら、いざ自分が何かやりたいことが出てきたときに、動きやすいと思ったからです。先生には地元の大学や他の地方の大学も進められました。ですが、自分の行きたい学部も特になく、関東へのこだわりもあったので、ずっと関東の大学を意識していました。

 

 

たまの息抜き

引退してからも演劇部に顔を出して、後輩たちが練習している様子を見たり、お菓子を差し入れにいったりすることで、リフレッシュすることができましたね。

 

 

センター試験直前

緊張しがちな友達を励ますことが多かったので、友達を励ましているうちにセンター試験当日になってしまったという感じでしたね。会場が近所だったので、あまり緊張せずに試験を受けることができました。

 

 

センター試験の結果

まず国語の小説問題(注1)で失敗して、7割くらいしかとれず、過去最低点をとってしまいました。全体では7.5割くらいでしたね。ですがマークミスなどもなく時間通りに解けたので、手応えはありました。

実はセンター直前に数学がスランプに陥ってしまい、いつもは9割とれていたのが7割くらいしかとれなくなってしまいました。ですが本番、数ⅡBでかなり手応えを感じ、結果97点をとれたのがうれしかったですね。ですが、1問だけ間違えた理由が計算ミスだったのはとても悔しかったです。

 (注1) 平成26年度のセンター試験の国語では、岡本かの子の「快走」が出題された。

 

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出願する大学選び

センターの結果が出るまでは、東大を受験することも考えていました。ですがセンターの国語で失敗してしまい、判定は東大の足切りギリギリといったところでした。そこで、出願する大学を考え直すことにしました。お茶の水女子大や千葉大も考えましたが、周りの人に「あなたのやりたいことが確実にあるのは横国だよね」と言われたので、横国も調べてみました。その時、室井先生(注2)の横浜都市文化ラボ(注3)のホームページを見つけて、とても面白そうだなと思ったんです。私は人と違うことがしたかったし、ただ「勉強」するのが嫌だったので、横国の人文はぴったりだと思いました。判定はC判定ギリギリでしたが、前期は横国に出願することにしました。後期は千葉大に出願しましたね。

親の意向もあったので、私大に行くつもりはありませんでした。しかし滑り止めとして、東京女子大に出願しました。私大は必死に勉強するレベルでもなかったので、私大対策としては過去問を3年分解いたくらいです。センター利用では残念ながら不合格でしたが、東京で受けた一般入試では合格しました。しかしセンター利用で落ちてしまったときは、とても不安な気持ちになりましたね。

 

(注2)哲学、美学、芸術学、記号論、文学理論、批評理論が専門。人間文化課程(人文)の課程長も務めている。ちなみに人文生は「○○先生」ではなく「○○さん」と呼ぶことが多い。

(注3)『教室を持たない芸術文化スクール』「大学から文化を創造し、発信する」ということで、国内外で活躍するアーティストなどを横浜に招いて授業をしたり、学生と社会人がともに活動したりして、新しい芸術文化の発信を目指している。

 

なんだこれ!総合問題(注4)

出願ギリギリまで悩んでいたので、前期試験まであまり時間がありませんでした。願書を出してからは、とりあえず過去問を解きましたね。総合問題は出題される範囲がとても広いので、社会の先生や国語の先生、英語の先生など、いろいろな科目の先生に見てもらいました。楽譜など芸術分野からの出題もあったので、音楽や美術の先生にも見てもらいましたね。

総合問題は対策が難しいので、先生方と分析したりもしました。例えば、問題文に楽譜が含まれるような音楽に関する問題は、音楽の知識のない人には難しい問題でしたが、音楽をやっていた人にとっては当たり前のことしか聞いていません。また、大学時代に文化人類学を専攻していた高校の音楽の先生曰く、その時のブームのようなものがあり、総合問題の内容も「やっぱりこれか」と思う問題が多いそうです。

またどの年も、英語の問題、日本語の問題の両方に共通する大きなテーマのようなものがあり、そのテーマさえ押さえてしまえば解きやすくなることにも気づきました。例えば2013年の総合問題は芸術分野からの出題が多く、2012年の総合問題は「視点を変えること」が大きなポイントでしたね。

過去問を解くこと以外に何をすればよいのかわからなかったので、後期の千葉大の小論文の対策をしました。文章を書くことはどちらの対策にもなると思ったからです。

それから息抜きとして、人文の先生方の本を読みました。確か松本先生(注5)の著書を読みましたね。他にも文化人類学を専攻していた音楽の先生から、文化人類学に関するおすすめの本を教えてもらって読んだりもしました。また、過去問にさまざまな芸術作品が出てきたので、それらの作品について調べたりもしました。特にオペラの蝶々夫人は、DVDを借りて最初から最後まで全部見ましたね。

実際の試験では役に立たなかった知識もありましたが、大学の授業では芸術や社会に関する知識が役に立っています。ぜひ、ただ問題を解くだけでなく、知識も身に着けてください。

 

(注4)人間文化課程の前期試験では「人間文化課程の特色に応じた内容の日本語および英語の文章・図・表などを素材として広い視野から分析・総合する能力を評価」する総合問題が出題される。

(注5) 文化人類学を専門としている。特にナイジェリアに詳しい。

 

二次試験当日

二次試験の時は新横浜のホテルに泊まりました。とにかく早く寝るように心がけました。今まで取り組んできた過去問をたくさんはさんだファイルを眺めて、「自分ようやった」と感傷に浸ってから寝ましたね。

今年の総合問題は社会分野から多く出題されました。なので、芸術作品について調べたことはあまり役に立ちませんでしたね。世界史のような内容が多かったので、世界史を選択していない人は大変だっただろうなと思いました。また、過去に出題されたことのなかった500字の長い記述問題が出ましたが、小論文対策もしていたのであまり苦労しませんでした。日本語の問題のほうはかなり埋めることができました。問題形式が変わることは知っていたので焦ったりはしませんでしたね。(注6)しかし今年の英語の問題は想像以上に難しかったので、少し空欄ができてしまいました。

試験が終わった後は、特に横浜で何かせず、ご飯を食べてまっすぐ帰りました。しかし地元まで帰ってからは少し遊びましたね。

 

(注6)平成26年度から、日本語の文章で出題される総合問題1と英語の文章で出題される総合問題2が統合された。

 

楽しくて面白い、大学生活

大学生になってからも、結局演劇を頑張っていますね。演劇をやりたいという思いがあったので、また始めることにしました。横国で演劇ができるのは三日月座か唐ゼミですが、唐ゼミはアングラ(注7)なので少しジャンルが違うなと思い、私は三日月座に入ることにしました。

好きな授業は、人文の1年生の必修の授業、人間文化基礎論ⅠAです。4人の先生が話す座談会形式の授業はいつも面白いですね。私が特に面白いと思ったのは、須川先生による魔法少女の回です。大学の先生が自分の好きなものにのめりこんでいる様子や、話についていけていない周りの人文生と、興味津々な自分との温度差が面白かったです。

今、基礎演習(注8)は室井先生のクラスです。私が横国を目指すきっかけになった先生のクラスだとわかったときはとても嬉しかったですね。

1年生の今はいろいろなことを浅く広く学んでいる感じですが、秋からスタジオも始まるのでより深く学んでいきたいです。今、スタジオ選択の時期なのですが、私は芸術文化コースに行くことを考えています。須川先生のポピュラー文化研究スタジオ(注9)に興味がありますが、サブとして室井先生の熱血映画塾(注10)も考えています。でも人間文化祭で、榑沼先生の言語空間スタジオ(注11)の企画にも今かかわっているので、そこに行くのもいいかなと思っています。

 

(注7)アングラ演劇とは1960年代から70年代にかけて日本で活発に起きた演劇の潮流のこと。反体制主義、反商業主義の思想が根底にあり、従来の商業演劇とは違う表現が生まれた。

(注8)1年生春学期にある10人ほどのクラス単位での授業。クラスは入学時に学籍番号順で決められている。内容は先生によって様々であるため、レポートの書き方を学ぶ真面目なクラス、たくさん本を読む羽目になった大変なクラス、人間文化祭に企画を出すことになったクラス、鍋パーティーや餃子パーティーをしたクラスなど、バラエティ豊か。

(注9)日本のサブカルチャーを専門にしている須川先生のスタジオでは、メイドカフェやコスプレなどの体験ルポを作成したり、日本や海外の文献を読んで分析したりすることを通じて、ポピュラー文化について考えていく。

(注10)室井スタジオは横浜都市文化ラボの目玉企画「望月六郎の熱血映画塾」として実施される。ここでは映画監督の望月氏と共に、シナリオの基礎から始め、市内映画館の巨大スクリーンで上映する映画を作っていく。

(注11)文章を読み、それを様々な方法で表現しようとしているスタジオ

 

受験生へのメッセージ

どこの大学を選ぶか、悩むときが誰にでもあると思います。でも悩めば悩んだだけ後悔しないから、悩んだ方がいいと思います。他の人に言われたから、という理由で大学を選ぶと後悔します。志望大学は自分で決めることが大切です。

私は自分で横国に行くことを決めたから、今はすごく楽しい大学生活を送っています!

 


―ありがとうございました。

 

(ライター:ちひろ)

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